労災保険では、勤務中や通勤途中でのケガ等で、体に一定の障害が残り、それが障害等級に該当すると、その障害の程度に応じて、障害(補償)給付が支給されます。また、業務中に業務が原因で死亡した場合、対象の遺族は、遺族(補償)給付が支給されます。
このように労災保険では、障害や死亡を支給事由とした保険給付がありますが、厚生年金でも同じように障害や死亡を支給事由として、障害厚生年金や遺族厚生年金があります。
さて、労災保険と厚生年金の支給事由にどちらも該当した場合、どちらからも支給されるのでしょうか。
厚生年金については全額支給がされますが、労災保険のほうは調整されてしまうので、全額を受け取ることができないのです。減額されるといっても、調整される前の労災保険の額よりは高くなりますのでご安心ください。
具体的な調整例についてですが、障害厚生年金(厚生年金)、障害基礎年金(国民年金)と障害補償年金(労災保険)の場合、障害厚生年金と障害基礎年金は100%支給されますが、障害補償年金は調整されてその73%のみが支給されることになります。
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