報道によれば,7月29日,トヨタ自動車株式会社の男性社員(当時40歳)が2010年に自死したのは過重労働と上司のパラーハラスメントが原因であるとして,男性社員の妻が労働基準監督署による不支給処分の取消を求めた訴訟の判決において,名古屋地裁は,原告の請求を棄却したとのことです。
以前に投稿したブログにて述べたとおり,裁判例においては,行政通達は裁判所を拘束するものではないとして,通達の基準に必ずしも該当しない場合にも,業務上認定をする例がみられます。今回の判決は,労働基準監督署と同様に業務上認定をしなかったことになりますが,通達の基準との関係についてどのような考えを前提にしているか等は報道からは明らかではありません。
判決内容の詳細が確認できていないため,内容に立ち入ることはできませんが,原告側は控訴を検討しているとのことであり,今後の動向に注目したいと思います。
※本投稿は令和2年7月30日時点で参照した情報に基づくものです。
弁護士ブログ
最近の報道から
2020年7月31日 春日井事務所所長 弁護士 深尾 至